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写真左端付近に大迫保健センターがある
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岩手県花巻市大迫町(旧:稗貫郡大迫町,2006年に花巻市に合併) (人口6687人:2006年3月末現在,花巻市統計資料) ![]() |
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大迫町在住の住民。 |
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家庭血圧(7歳以上),24時間血圧(20歳以上),随時血圧。頭部MRI,フィブリノーゲン,頸動脈エコー,身長・体重,ヘモグロビンA1c,ミニメンタルテスト,脈波伝播速度,随時血糖,反応時間,生化学一般,リポプロテインA,安静時心電図,末梢血一般,高感度CRP,眼底,血漿レニン,尿中微量アルブミン,生活習慣,パーソナリティー,糖負荷試験,歯科検診,ホルター心電図など |
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血圧 1999;6: 162-6 日本疫学会2007講演 大迫町・町勢要覧2002 |
http://www.city.hanamaki.iwate.jp/
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大迫研究ホームページ:
http://www.t-mbp.com/research/Ohasama.html
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宮沢賢治の詩によまれた早池峰山の登山口でもある大迫町は,民話の里,遠野の北に位置している。イーハトーブの典型のような町だ。
総面積246平方kmに6687人(2006年時点)がすんでいる。農業では米,野菜以外に果樹栽培も盛んであるが,近年農家以外の収入が50%を超える第二種兼業農家の比率が高くなっている(大迫町・町勢要覧2002)。
この町で,家庭血圧,24時間血圧を主眼とした大迫研究が始まったのは1986年。当時,家庭血圧値の研究に興味を持っていた,東北大学・今井潤(ゆたか)氏と,住民の健康意識の向上をはかりたい大迫病院院長であった永井謙一氏との会話のなかから生まれた(血圧 1999;6: 162-6)。
大迫研究の最大の特徴は家庭血圧,24時間血圧の測定とその予後予測能の報告である。現在ではこの研究に登録している住民ひとりひとりにIC付きの家庭血圧計が配られ,家庭血圧がはかられているが,この研究の報告や欧米のデータから,日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2004」や「2003年欧州高血圧学会/欧州心臓病学会高血圧治療ガイドライン」において家庭血圧における高血圧の基準値を135mmHg / 85mmHgとしている(ちなみに,self measurement of blood pressure at homeに対して家庭血圧測定という訳語がつけられたとき,大迫の保健師の浅沼裕子氏は喜んだという。自分ではかる血圧ではなく,家庭で,家族で血圧を測るという意味合いが欲しかったからだ)。
現在,大阪大学と共同で遺伝子研究にも着手しており,これまでに積み重ねてきた家庭血圧値や24時間血圧のデータとの組み合わせから,あらたな報告が期待される。
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

・2019.9.30
[2018年文献] NT-proBNP値が高い人では脳卒中発症リスクが高くなるが,その関連は追跡期間が長くなると弱まる
・2019.7.29
[2015年文献] 食塩摂取量が多く,アルドステロン/レニン比が大きい人では高血圧発症リスクが有意に高い
・2018.12.25
[2017年文献] 高血圧は,「若年高齢者」(60~74歳)でも後期高齢者(75歳以上)でも脳卒中の独立した危険因子
・2018.9.28
[2018年文献] 残存歯数10本未満の人では認知機能障害のリスクが高い
・2018.9.28
[2016年文献] 家庭血圧と自由行動下血圧の両方の測定による「部分白衣高血圧」は,脳卒中リスクと有意に関連
・2017.3.09
[大迫研究30周年記念講演]家庭血圧の世界基準を生んだ大迫研究のこれまでとこれから
・2017.1.30
[2014年文献] パーソナリティと高次生活機能低下のリスク
・2016.10.28
[2016年文献] 高次生活機能(とくに知的活動)の低下は脳卒中の予測因子
・2016.4.28
[2014年文献] 動物性蛋白質の摂取量が多いほど,高次生活機能低下のリスクが低い
・2015.8.26
[2007年文献] 24時間ABP(とくに夜間血圧)は随時血圧よりも頸動脈硬化との関連が強い
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