日本人を対象とした糖尿病の疫学研究
場所 山形県舟形町
山形県舟形町
対象 40歳以上の舟形町住民
開始年 1990~1992年に初回のベースライン健診を実施
(1990年: 舟形町舟形,1991年: 舟形町堀内,1992年: 舟形町長沢)
検査項目 ベースライン時: 75g 経口ブドウ糖負荷試験,血圧,身長,体重,ウエスト,ヒップ,体脂肪率,血液検査(空腹時血糖,総コレステロール,HDL-C,トリグリセリド,ヘモグロビンA1c,HOMA-IR,高感度CRP),疾患既往
追跡時: 死因
参考 Diabetes Care 2003; 26: 2015-20.pubmed
プラクティス Vol.22 no.6 649-655.
山形県舟形町ホームページ:
http://www.town.funagata.yamagata.jp/new window open

 舟形町は山形県の東北部に位置し,人口6781人(2005年3月31日現在),面積119.03km2。大部分を山地に囲まれた米どころで,住民の半数以上が農業に従事する農村地域である。

 舟形スタディの始まりは,1990年から1992年にかけて行われた,糖尿病の有病率に関する調査。40歳以上の全住民を対象に75g経口ブドウ糖負荷試験を実施した。この健診の受診者をコホートとして追跡したのが舟形スタディ(Funagata Diabetes Study)で,2型糖尿病の危険因子や病態,転帰などについて疫学的な視点から明らかにすることを目的としている。

 追跡には,総務庁に目的外使用の許可を申請したうえで,保健所に保管されている人口動態統計の死亡小票を用いて生死の確認および死因の調査を行った。

 ベースライン検診によると,舟形町における糖尿病の有病率は10.4%であった。それまで日本人の有病率データを出しているのは久山町研究のみであったが,舟形スタディの報告により,農村地域においてさえ糖尿病の割合が高いことがあらためて明らかになった。この結果は,もっとも正確な糖尿病有病率の報告のひとつとして高い評価を受けた。日本糖尿病学会の「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン」にも舟形スタディの報告が引用されている。


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