地域の住民健診受診者。 |
|
日本国内の12地域。 岩手県岩泉町(1119人) 千葉県多古町(2851人) 新潟県大和町(2404人) 岐阜県久瀬村(現・揖斐川町,450人) 岐阜県高鷲村(現・郡上市,1478人) 岐阜県和良村(現・郡上市,1371人) 静岡県浜松市佐久間町(306人) 兵庫県北淡町(現・淡路市,1129人) 広島県作木村(現・三次市,394人) 高知県大川村(214人) 福岡県新宮市相島(136人) 福岡県赤池町(現・福智町,638人) |
|
1992年 | |
19~93歳の12490人 (男性4911人,女性7579人) |
|
身長,体重,血圧,心電図,赤血球数,ヘモグロビン,ヘマトクリット,総コレステロール,HDL-C,トリグリセリド,リポ蛋白(a),血清フィブリノーゲン,第VII因子活性,血糖,尿蛋白,尿糖,尿潜血,食習慣,喫煙,飲酒,疾患既往,疾患家族歴,職業,身体活動,睡眠時間,仕事のストレス,教育年数,結婚の有無,閉経時年齢(該当する女性のみ),腹囲(一部地区)。 | |
「JMSコホート研究の概要」 http://www.jichi.ac.jp/openlab/newsletter/letter07.pdf J Epidemiol. 2002: 12: 408-17. http://www.jichi.ac.jp/usr/tiik/kenkyu/jmscohort.htm |
ベースライン調査は,各地域の住民健診に必要な項目を追加する形で行なわれた。一部地区では腹囲の測定も実施されている。疾患発症の有無は主に毎年の住民健診により調査し,死亡・死因は,厚生労働省と総務省の許可を得た上で各地区の死亡小票を参照し調査した。
JMSコホート研究の特徴は,以下のような点にある。
- 岩手県から福岡県までと,対象地区が広範囲にわたっている。
- 対象12地区すべてが農村である。
- 統一された手法による多施設共同前向き研究である。
- 各地域で実際に医療に携わっているプライマリーケア医が主体となって調査を行っている。
- 既知の危険因子だけでなく,新しい危険因子やマーカー(社会的支援状況,仕事のストレス,女性の閉経状態,リポ蛋白(a),CRP,血中インスリン,フィブリノーゲン,第VII因子など)の検討を行っている。
発表されている結果には,ベースラインデータによる断面解析と,追跡データによる前向き解析の両方がある。10年間の追跡調査が一段落した現在は,前向きの解析が中心になっているという。
・2019.1.29
[2014年文献] 左室肥大の診断に用いられるCornell積などの値は,日本人では欧米人より低いレベルから心血管疾患リスクと関連
・2018.10.31
[2009年文献] 正常血圧者の心電図上左室肥大(Cornell積基準)は脳卒中発症リスクと関連する
・2018.7.30
[2018年文献] 脂質異常症の人では軽度ST-T異常所見が脳卒中発症リスクと関連
・2018.6.29
[2008年文献] 前高血圧のリスクはBMI 23.0~24.9 kg/m2から増加
・2018.1.31
[2015年文献] 心電図上QTc時間は心血管疾患死亡リスクと累進的に関連し,心臓突然死リスクとはJ字型に関連
・2017.11.29
[2017年文献] BMIと脳卒中: 男性では≦18.5 kg/m2,女性では≧30.0 kg/m2でリスク上昇
・2016.2.26
[2015年文献] 心電図上QT延長は,左室肥大のない人でも脳卒中発症リスクと関連
・2015.7.28
[2008年文献] 1990年代の脳卒中発症率は,心筋梗塞発症率にくらべて顕著に高い
・2014.2.24
[2013年文献] ブルーカラーの男性の全死亡リスクは,ホワイトカラーより高い
・2012.1.31
[2009年文献] 10年間の心筋梗塞発症率を予測できるリスクチャート