40~90歳の地域住民(地域コホート)または事業所勤務者(職域コホート) | |
0次研究: 17都道府県21コホート 北海道,秋田1,秋田2,岩手,茨城,東京職域,愛知職域,新潟,富山,富山職域,滋賀1,滋賀2,和歌山,大阪,大阪職域,広島,愛媛,高知,福岡1,福岡2,熊本 統合研究: 23都道府県35コホート(地図) [北海道] 端野・壮瞥 [秋田] 秋田県立脳血管研究センター,井川 [岩手] 大迫,県北地域,東山 [宮城] 鶴ヶ谷 [茨城] 筑西市協和 [群馬] 草津 [千葉] 鴨川 [東京] 板橋,東京職域1,東京職域2 [愛知] 愛知職域 [三重] 大紀 [新潟] 佐渡,長岡市与板 [富山] 富山職域 [滋賀] 高島 [和歌山] 日高川 [大阪] 八尾南高安,箕面,大阪職域 [京都] 京都職域 [広島] 広島市,大崎上島 [愛媛] 八西,今治,愛媛職域 [高知] 香北 [福岡] 久山 [佐賀] 西有田 [熊本] 熊本,熊本職域 [沖縄] 石垣 |
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2001年 | |
0次研究: 約6万人 統合研究: 約12万人 |
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0次研究: 年齢,性別,身長,体重,心血管疾患既往,血圧,総コレステロール,HDL-C,トリグリセリド,喫煙,飲酒 統合研究: 性別,年齢,身長,体重,腹囲*1,ヒップ周囲径*1,既往歴,疾患家族歴,服薬歴,飲酒,喫煙,閉経状況*2,血圧,脈拍,総コレステロール,HDL-C,血糖,トリグリセリド,肝機能因子(GOT,GPT,γ-GTP),血清クレアチニン,HbA1c,心電図,食事調査*3,身体活動(運動,睡眠,移動,家事,余暇に関する調査を含む)*4
*1 可能な場合
*2 女性のみ |
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JALSホームページ Circ J. 2008; 72: 1563-8. 「循環器疾患コホート研究の手引き」,176-179, メジカルビュー(2004). 動脈硬化予防別冊「日本人の脳卒中」 76-82,メジカルビュー(2005). |
これまで行われてきた日本のコホート研究のなかには,国際的に高い評価を得てきたものも多い。しかし,そのほとんどは規模や追跡期間の長さに制限があり,十分な心血管イベント数を得られない場合や,年齢・性別などによる層別化解析が不可能な場合も多かった。そこで開始されたのが,前向きコホート研究のデータを集め,メタアナリシスの手法で統合するJALSである。
JALSは大きく分けて「0次研究(JALS-ECC: JALS Existing Cohorts Combine)」「統合研究」の2つの研究からなる。0次研究では,既存の21コホート,約66,000人のデータをゆるやかな標準化のもとに統合する。一方,統合研究は,あらかじめ標準化を済ませた上で前向きに追跡して統合を行うもので,35コホートの約12万人を2014年まで追跡する予定。
大きな特徴は,死亡だけでなく大規模なイベント発症のデータをもつこと,そして統合研究で綿密な標準化を行っていることである。食事や身体活動についても,独自の調査票により定量的なデータを集めている。
標準化に際しては,日本全国のコホート研究の代表者が集まって泊まりがけの「合宿」も行い,血圧の測り方といった基本的なところから時間をかけて議論をかさねた。委員長の上島弘嗣氏は,「JALSのこのようなプロセスは,日本の疫学研究の裾野を広げ,全体のレベルアップをはかる役割も担っている」と語る。
0次研究からは血圧指標や慢性腎臓病(CKD),降圧薬治療に関する成果が発表され,リスクスコアの作成もはじまっている。大規模なメタアナリシスのデータから現代の日本人のどのような姿が浮き彫りになるか,注目される。
・2017.8.31
[2010年文献] 欧米よりBMIの低い日本人でも,心血管疾患予防のためには積極的な体重管理が重要
・2010.8.26
[2010年文献] non-HDL-C,総コレステロールを用いた急性心筋梗塞発症リスクスコアを作成
・2009.8.11
[インタビュー] JALS -現代の日本人の危険因子を明らかにするメタアナリシス-
・2009.8.11
[2009年文献] 高血圧患者は治療例でも脳卒中リスクが高い
・2009.8.11
[2009年文献] 高血圧の評価には収縮期血圧がよい
・2009.8.11
[2008年文献] 腎機能低下は心血管疾患の危険因子