八尾市の循環器健診50年のあゆみ

(八尾市循環器健診50周年記念式典資料「八尾市の循環器疾患予防対策について」より作成)
1962年:
(昭和37年)
国民健康保険の赤字に悩んでいた八尾市が,増えつづける脳卒中を予防する手だてについて,大阪府立成人病センター(当時。以下成人病センター)の小町喜男氏に相談。八尾市のなかで脳卒中死亡率の高い地区からモデル地区を選定し,循環器健診を中心とした重点的な予防対策を実施することを決定する。
1963年:
(昭和38年)
脳卒中死亡率の高い地区のなかでも,熱心な住民リーダーがいる曙川(あけがわ)地区をモデル地区に指定する。同年,八尾市を中心に成人病対策協議会を結成。
1964年:
(昭和39年)
曙川地区にて第1回循環器健診を実施。
1965年:
(昭和40年)
南高安地区のうち,恩智地区と神宮寺地区をモデル地区に追加し,健診を実施。
1966年:
(昭和41年)
南高安地区の残り3地区(黒谷,垣内,教興寺)もモデル地区に追加する。
また,モデル地区以外に八尾市内の3地区を推進地区に選び,のべ8日間の健診を実施。要管理者に対しグループ指導を行う。以後,毎年新たに推進地区を選んで同健診方式による健診・管理を進め,全市の健診を9年かけて終了。
1975年:
(昭和50年)
①成人病対策協議会にて,「八尾市循環器集団健診実施要綱」が制定され,モデル地区以外の市民に対しても自らの意思で自らの健康を管理しようとする 人々を成人病予防会の会員として募り,その会員に対する健診・管理活動を進めていくことを決定。同年,会員を対象とした成人病センターの多項目健診が開始された(会員は各地区の自治振興委員会,老人会,婦人会などで,申し込みは10人以上のグループを単位とした)。
②曙川地区は,勤務者の増加とともに人口の移動が激しくなり,次第に継続的な健診・管理の実施が困難となったため,モデル地区の役割を終了。
1976年:
(昭和51年)
成人病対策協議会で,モデル地区である南高安地区において,他の地区に先駆けて地区としての成人病予防会の結成を急ぐことが決議される。八尾市と成人病センターは南高安地区での成人病予防会の結成を目指し,地区住民に対して,講演会や説明会,資料の配布などの活動を積極的に行い,翌年,南高安地区成人病予防会の発起人会を結成。
1977年:
(昭和52年)
発起人会の呼びかけによる最初の南高安地区循環器健診が実施され,同地区の人たちが中心となって会場の借り上げ,設営,会場への機器の搬入・搬出などを行った。同年,南高安地区では,自らの健康管理に熱意のある住民が主体となり,自分たちで運営する新しい成人病予防組織としての南高安地区成人病予防会(活動の母体は自治振興委員会と婦人会)の発会式が開催された。
1982年:
(昭和57年)
①老人保健法が制定される。
②八尾市衛生問題対策協議会成人病対策部会において,八尾市の一般地区の循環器健診は,モデル地区での循環器健診とともに,老人保健法における基本健康診査として実施していくことが決まる。また実施方法については,八尾市保健センターと成人病センターにおいて集団健診方式で実施するとともに,地元の開業医により個別健診を導入して行うこととなった。
2008年:
(平成20年)
循環器疾患予防対策として,老人保健法に基づく,南高安地区成人病予防会を対象とする健診と,一般地区住民を対象とする健診が実施されていたが,制度改正により,各健康保険者が実施主体となる特定健康診査に変更となった。しかし,南高安地区成人病予防会を対象とする健診は,従来どおり,国民健康保険加入者のみならず国保以外の住民も受診できるかたちで引き続き実施されている。
2012年:
(平成24年)
集団健診(特定健診・がん検診)や健康相談と健康リーダーの育成の取り組みが曙川東地区,竹渕地区で開始された。

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