[2000年文献] 24時間自由行動下血圧は脳卒中リスクと直線的に相関する
24時間自由行動下血圧は脳卒中リスクと直線的に相関し,随時血圧よりも脳卒中リスクの予測能に優れる。また昼の血圧は夜の血圧よりも脳卒中リスクと相関することが示された。
Ohkubo T, et al: Prediction of stroke by ambulatory blood pressure monitoring versus screening blood pressure measurements in a general population: the Ohasama study. J Hypertens 2000; 18: 847-54.
- コホート
- 40歳以上の2716例のうち,町外で就労しており平日の自由行動下血圧測定が困難だった575例,入院中の121例,認知症または寝たきりの31例,研究への同意が得られなかった447例を除いた1542例(1987年から平均6.4年間追跡)。
平均年齢は61.0歳。男女比は4対6。 - 結 果
- 追跡期間中に脳卒中または一過性脳虚血を初発したのは74例。うち脳梗塞が45例(61%),脳出血が17例(23%),くも膜下出血が9例(12%),一過性脳虚血が2例(3%),病型不明が1例(1%)。CTまたはMRIによる確定診断は99%。
24時間,昼間,夜間の自由行動下血圧(ABP)は,いずれも随時血圧にくらべて有意に低かった(P<0.001)。
脳梗塞発症例では,非発症例よりも随時血圧,24時間,昼間,夜間ABPが有意に高かった(P<0.001)。
随時血圧,および24時間,昼間,夜間ABPは,随時収縮期血圧を除き,すべて脳卒中リスクと直線的な相関を示した(P<0.01)。
特に24時間ABPの収縮期血圧では,P<0.0001と非常によい相関を示した。
コックス比例ハザードモデルによると,随時血圧よりも24時間ABP,および夜間ABPよりも昼間ABPのほうが,それぞれ脳卒中発症リスクの予測能に優れていた。
以上のように,24時間自由行動下血圧は脳卒中リスクと直線的に相関する。
また24時間自由行動下血圧は,随時血圧よりも脳卒中リスクの予測能に優れる。
昼の血圧は夜の血圧よりも脳卒中リスクと相関することが示された。