Fujiwara T, et al. Prevalence of asymptomatic arteriosclerosis obliterans and its relationship with risk factors in inhabitants of rural communities in Japan: Tanno-Sobetsu study. Atherosclerosis. 2004; 177: 83-8.

コホート

2001年および2002年の検診を受けた1398人（男性544人，女性854人）。
65歳以上のものは19.2％。

結　果

・対象背景で男女間に有意差があったものは次の通り。
平均年齢（男性65.7，女性63.2歳），拡張期血圧（78.4，76.1mmHg），空腹時血糖値：FPG（102.9，95.4mg/dL），総コレステロール：TC（188.8，208.8mg/dL），トリグリセリド：TG（124.1，96.3mg/dL），HDL-C（49.4，52.5mg/dL），LDL-C（114.6，137.0mg/dL），非HDL-C（139.4，156.3mg/dL），足関節/上腕血圧比：ABI（1.093，1.090），糖尿病（13.2，6.7％），喫煙（75.3，10.7％）。

・無症候性閉塞性動脈硬化症（ASO：ABI＜0.9）は2.7％（男性では3.1％，女性では2.5％）。60歳以下では1.0％，男性では1.6％，女性では0.7％，60歳未満では3.4％，男性では3.6％，女性では3.3％。
ASOの罹患率は60歳以上（p＝0.011），および60歳以上の女性（p＝0.019）で有意に高かった。

・ASO群（男性17人，女性21人）と非ASO群（527人，833人）を比較すると，平均年齢はASO・男性69.71歳，非ASO・男性65.57歳（p＝0.086），ASO・女性67.62歳，非ASO女性63.10歳（p＝0.040）。
血圧は女性においてのみASO群が非ASO群より高く，BMI，FPG，TC，TG，HDL-C，LDL-C，非HDL-CはASO群と非ASO群間に有意差はなかった。

・TCとABIの間に男女で有意な負の相関がみられたが，ABIとその他の危険因子に有意な相関はなかった。多変量解析によると，男性ではTCおよび喫煙はABIと有意に相関。