Ohnishi H, et al. Relationship between insulin-resistance and remnant-like particle cholesterol. Atherosclerosis. 2002; 164: 167-70.

コホート

2000年に検診を受けた住民から無作為に抽出した男性174人，女性298人。
平均年齢65.0歳。

結　果

・背景で男女間に有意差があったものは次の通り。
平均年齢（男性67.3，女性63.7歳），収縮期血圧（129.0，133.1mmHg），空腹時血糖値（102.3，96.9mg/dL），空腹時免疫反応性インスリン（5.0，5.6mU/L），総コレステロール：TC（194.2，208.4mg/dL），トリグリセリド：TG（129.0，110.0mg/dL），HDL-C（53.2，58.4mg/dL），LDL-C（115.8，128.5mg/dL）。

・レムナント様リポ蛋白コレステロール（RLP-C）は男性4.6mg/dL，女性4.0mg/dL，
インスリン抵抗性指数（HOMA-R）はそれぞれ1.28，1.37で性差はみられなかった。
HOMA-RとRLP-Cの間に有意な正の相関がみられた（p＜0.0001）。これは男女ともそうであった（いずれもp＜0.0001）。
LDL-CとHOMA-Rの間に男性（p＝0.0009）でも女性（p＝0.0304）でも弱い正の相関がみられた。

・インスリン抵抗性（IR）群（119人）と正常群（352人）とを比較すると，BMI，血圧，TC，TG，HDL-C，LDL-CはIR群の方が高かった（p＜0.05）。
RLP-Cは，男性：IR群7.1mg/dL，正常群3.9mg/dL（p＝0.0003），女性：5.3mg/dL，3.6mg/dL（p＜0.0001）。
RLP-Cの日本の標準値が7.5mg/dLのため，≧7.5mg/dLを高RLP血症と定義。高RLP血症は男性IR群23.7％，正常群6.6％（p＝0.0006），女性20.3％ vs 6.6％（p＜0.0001）とIR群で有意に多かった。
多変量解析によると，RLP-CはHOMA-R（p＜0.0001），BMI（p＜0.0129）と密接に相関し，RLP-CとIRの強い相関が示唆された。