NIPPON DATA80 Research Group. Risk assessment chart for death from cardiovascular disease based on a 19-year follow-up study of a Japanese representative population. Circ J. 2006; 70: 1249-55.

コホート

NIPPON DATA80。
脳卒中，冠動脈疾患（CHD）の既往例などを除外した9353人（男性4098人，女性5255人）。
追跡期間は19年。

結　果

・19年間の脳卒中死は312例（1.93/1000人・年），CHD死は132例（0.81/1000人・年）。
対象背景と心血管死
平均年齢（男性50.3歳，女性50.8歳），収縮期血圧（SBP:138.4mmHg，133.9mmHg），総コレステロール（TC:186.1mg/dL，190.8mg/dL），血糖（101.0mg/dL，99.6mg/dL。≧200mg/dLは1.61％，1.16％），喫煙（63.3％，8.8％）。
脳卒中死（男性162例，女性150例），CHD死（67例，65例），全心血管死（男女とも339例）。

・年齢を層別（30～39歳，40～49歳，50～59歳，60～69歳，70歳以上）してみると，70歳以上の脳卒中死はCHD死のおよそ3倍である。
男性の脳卒中死は加齢とともに増加した。CHD死は70歳以上は男女とも同様だが，70歳以下では男性の方がCHD死は多かった。

・Cox比例ハザードモデルを使用して，年齢，SBP（100～119，120～139，140～159，160～179，180～199mmHg），TC（160～179，180～199，200～219，220～239，240～259，260～279mg/dL），喫煙，血糖値（≧200mg/dL，200mg/dL未満）で層別し10年間の脳卒中，CHD，全心血管死亡の確率を男女別に算出し，リスクをチャート上に6色で示した。

例えば，10年間でCHD死の可能性が10％以上になるのは，
男性・70～79歳・随時血糖値＜200mg/dL・非喫煙・TCの6分位の5番目・SBPの5分位最大値例，喫煙例ではTCの6分位の4番目の値でSBP最大値例。血糖値が≧200mg/dLになると，非喫煙例でもSBPが5分位の4番目のもの以上，喫煙例では3番目の値からが相当する。
同内容を女性でみると，血糖値＜200mg/dLの場合は10％以上には至らないが，≧200mg/dLの場合，喫煙の有無を問わずSBPが最低値を除くとすべて10％以上となる。