[2006年文献] 卵の摂取頻度と冠動脈疾患の発症リスクは相関せず

Nakamura Y, et al. Egg consumption, serum total cholesterol concentrations and coronary heart disease incidence: Japan Public Health Center-based prospective study. Br J Nutr. 2006; 96: 921-8.pubmed

コホート
・コホートI: 1990年1月1日時点で対象4保健所(岩手,秋田,長野,沖縄)の管轄区内に居住していた40~59歳の54512例のうち,転居例などを除いた54350例。
・コホートII: 1993年1月1日時点で対象5保健所(茨城,新潟,高知,長崎,沖縄)の管轄区内に居住していた40~69歳の62415例のうち,転居例などを除いた62288例。
また,これらのうち約36%について血中コレステロール濃度を得た。
結 果
卵摂取頻度ごとに全体を
   E1: 週1回未満, E2: 週1-2回, E3: 週3-4回, E4: ほぼ毎日
の4群にわけて解析を行った。
卵摂取頻度と有意な相関傾向を示したのは,飲酒(週1回以上)の割合,および肉・魚・野菜または果物の摂取頻度(P<0.0001)。
卵摂取頻度と有意な逆相関傾向を示したのは,年齢,高血圧の割合,低コレステロール食志向,および脂質降下薬服用の割合(P<0.0001)。

卵摂取頻度と総コレステロール,高脂血症の割合,および拡張期血圧は,有意な負の相関を示した(P<0.0001)。摂取頻度ごとのコレステロール値(mg/dL)は以下のとおり。
   E1: 205
   E2: 203
   E3: 200
   E4: 200

冠動脈疾患を発症したのは462例。342例が非致死的,120例が致死的。
卵摂取頻度と冠動脈疾患発症との間に有意な相関はなかった。

総コレステロールと冠動脈疾患の発症は,有意に相関した。総コレステロール240mg/dL以上の例における冠動脈発症のハザード比は2.17(vs. 180mg/dL未満,95%信頼区間1.22-3.85,P=0.0018)。


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