[2004年文献] 高齢者においてHDL-Cと脳梗塞は逆相関
Curb JD, et al. High density lipoprotein cholesterol and the risk of stroke in elderly men: the Honolulu heart program. Am J Epidemiol. 2004; 160: 150-7.
- コホート
- 2444人。1991~1993年の検査時に71~93歳。追跡開始時の平均年齢は78歳。
脳卒中(アテローム血栓性脳梗塞,心原性脳塞栓症,脳出血)発症の検討のため1998年末まで追跡。 - 結 果
- ・平均HDL-Cは51mg/dL。HDL-C低値(<40mg/dL)は17.8%,中等度(40~59mg/dL)は58.5%,高値(≧60mg/dL)は23.7%。このHDL-C分布において,年齢間に差はなく,HDL-Cと年齢間に相関はなかった。
・脳卒中は137例,うち血栓塞栓症脳梗塞は89例,脳出血は48例。
・HDL-Cは脳出血とは相関しなかったが,アテローム血栓性脳梗塞,心原性脳塞栓症はHDL-Cと逆相関した(p=0.003)。
・HDL-C低値群では高値群に比べ血栓塞栓症脳梗塞発症が約3倍と有意に多かった(10.6/1000人・年 vs 3.6/1000人・年,p=0.001)。
・以上の結果は他の危険因子で調整後も変わらなかったが,最も強い相関がみられたのは,総コレステロール<200mg/dLのもの,高血圧,糖尿病であった。
HDL-Cとアテローム血栓性脳梗塞,心原性脳塞栓症(1991~1998年)年齢(歳) 対象数(人) HDL-C(mg/dL) 脳梗塞発症
(件数/1000人・年)件数(例) <40 40~59 ≧60 71~74 758 137例
(18.1%)458例
(60.4%)163例
(21.5%)2.9 15 75~79 1003 184例
(18.3%)583例
(58.1%)236例
(23.5%)5.9 37 80~84 425 69例
(16.2%)236例
(55.5%)120例
(28.2%)7.7 20 85~93 258 45例
(17.4%)152例
(58.9%)61例
(23.6%)13.1 17 計 2444 435例
(17.8%)1429例
(58.5%)580例
(23.7%)5.8 89