[2003年文献] C反応性蛋白とアテローム血栓性脳梗塞は相関する
Curb JD, et al. C-reactive protein and the future risk of thromboembolic stroke in healthy men. Circulation. 2003; 107: 2016-20.
- コホート
- 1607人。1967~1970年の検診時に冷凍保存した血清サンプルでC反応性蛋白(C-Reactive Protein:CRP)を測定。測定時の年齢は48~70歳。
20年間の追跡期間に脳卒中,冠動脈疾患を発症したものを除いたものからランダムに選んだ1348人を対照群とした。アテローム血栓性脳梗塞(TE)を発症したのは259例。 - 結 果
- ・TE発症群のCRP測定時の平均年齢は58.1歳,対照群は55.8歳(p<0.001)。発症群の発症時年齢は69歳,発症までの平均期間は10.5年。
・CRP測定時の危険因子の保有状況は対照群に比べ発症群の方が有意に不良であった。
ベースライン時の対象背景
CRP(mg/L):相乗平均値*(TE群0.78‡,対照群0.60); 相加平均値(1.43,1.16),高血圧(27.0%‡,10.6%),糖尿病(27.0%‡,13.3%),総コレステロール(222mg/dL¶,215mg/dL),BMI(24.3kg/m2‡,23.5kg/m2),喫煙:喫煙歴(21.3%#,27.8%);喫煙中(54.4%‡,37.6%),飲酒(15.2オンス/月,13.2オンス/月),身体活動指数(32.7,33.0)。
*: 年齢調整,‡: p<0.001 vs 対照群,¶: p<0.01 vs 対照群,#: p<0.05 vs 対照群
・CRP値はTEと正の相関にあった。CRP測定から最初の5年間は相関度は弱かったが,10~15年のCRP値4分位の最大値(1.01~79.2mg/L)と最小値(0.10~0.32mg/L)を比較した場合のTEのオッズ比は3.8倍で,最大値での発症が有意に上昇した(p<0.001)。高血圧,糖尿病を有していない例のオッズ比はそれぞれ1.6,1.7(p<0.05)。55歳以下ではオッズ比が3倍有意に上昇し(p=0.006),非喫煙例では5.8倍であった(p<0.001)。
CRP, 追跡期間別のアテローム血栓性脳梗塞発症率(年齢調整後)追跡期間 CRP4分位(mg/L) 0.10~0.32† 0.33~0.54 0.55~1.00 1.01~79.2 0~5年 3.8%
(14例/386人))4.3%
(16例/384人)4.1%
(17例/412人)4.0%
(18例/425人)5~10年‡ 2.0%
(7例/367人)1.7%
(6例/360人)4.4%
(17例/390人)4.8%§
(20例/397人)10~15年∥ 2.3%
(8例/356人)2.6%
(9例/346人)6.2%§
(22例/359人)8.3%¶
(31例/361人)15~20年‡ 3.7%
(12例/333人)5.8%
(19例/322人)6.1%
(19例/314人)7.9%§
(24例/301人)全体∥ 10.9%
(41例/386人)13.2%
(50例/384人)18.2%#
(75例/412人)21.1%¶
(93例/425人)CRP上昇との正の相関 ‡: p<0.05 ,∥: p<0.001,§: p<0.05 vs CRP第1分位, ¶: p<0.001 vs CRP第1分位,#: p<0.01 vs CRP第1分位