[1975年文献] 総コレステロール,トリグリセリド,および血糖は, 日本<ホノルル<サンフランシスコ の傾向を示した
総コレステロール,トリグリセリド,血糖および尿酸について比較を行った結果,尿酸を除く因子について,日本<ホノルル<サンフランシスコ という傾向がみられた。この結果は,冠動脈疾患による死亡率の傾向と一致するものである。
Nichaman MZ, et al. Epidemiologic studies of coronary heart disease and stroke in Japanese men living in Japan, Hawaii and California: distribution of biochemical risk factors. Am J Epidemiol. 1975; 102: 491-501.
- コホート
- ・ 日本コホート: 45~69歳の日本人男性2138人。
・ ホノルルコホート: ハワイ州に住む45~69歳の日系人男性7968人。
・ サンフランシスココホート: カリフォルニア州に住む45~69歳の日系人男性1844人。
ベースライン健診が行われたのは日本1967~1968年,ホノルル1965~1968年,サンフランシスココホート1969~1970年。採血は,ブドウ糖50 gを摂取して1時間後に行われた。 - 結 果
- 血液検査により,総コレステロール,トリグリセリド,血糖,尿酸の4つの因子について,3コホート間で比較を行った。
◇ 日本と米国の比較
総コレステロール,トリグリセリド,血糖,尿酸のいずれについても,日本の平均値はホノルルやサンフランシスコよりも低く,その差は特に総コレステロールとトリグリセリドで顕著だった。
◇ ホノルルとサンフランシスコの比較
・ 総コレステロール: ホノルルでサンフランシスコよりも低い傾向があり,50~54歳,55~59歳,65~69歳の年齢層では有意差がみとめられた。
・ トリグリセリド: はっきりとした傾向はみられなかった。
・ 血糖: 若い年齢層では,ホノルルでサンフランシスコよりも低い傾向がみとめられた。
・ 尿酸: ホノルルでサンフランシスコよりやや高い傾向がみとめられた。
以上のように,総コレステロール,トリグリセリド,血糖および尿酸について比較を行った結果,尿酸を除く因子について,日本<ホノルル<サンフランシスコ という傾向がみられた。この結果は,冠動脈疾患による死亡率の傾向と一致するものである。