[1995年文献] 牛深・田主丸コホートで,収縮期血圧は冠動脈疾患,脳卒中,全死亡の予測因子

Toshima H, et al. The seven countries study in Japan. Twenty-five-year experience in cardiovascular and all-causes deaths. Jpn Heart J. 1995; 36: 179-89.pubmed

コホート
田主丸コホート(508人),牛深コホート(502人)。心血管危険因子の測定は登録時および10年後に実施。
観察期間25年。

・登録時から10年間の日本の対象背景変化
平均年齢(登録時50.4→10年後60.3歳),喫煙数(15.5→14.2本/日),血圧(135.0/76.0→140.0/79.2mmHg),TC(164.9→151.2mg/dL),BMI(22.0→21.8kg/m2),心拍数(62.8→62.6拍/分):喫煙,BMI,心拍数以外は有意差あり。
結 果
・25年間全死亡率は牛深が田主丸よりも30%有意に高く(p<0.001),死因別でみると暴力によるものを除き,CHD,脳卒中,肺癌,その他の癌,慢性気管支炎,その他の死亡も牛深の方が高かった。
この全死亡率の差は血圧関与率13%,血圧,年齢,喫煙などの関与率も19%でしかなく,確立している危険因子では説明できない。

・多変量解析によると,年齢はCHD死,脳卒中死,癌死,その他の原因による死亡,全死亡の有意な予測因子である。喫煙はCHD死,癌死,全死亡の,収縮期血圧はCHD死,脳卒中死,全死亡の有意な予測因子であるが,総コレステロール値および心拍数はいずれの死因の有意な予測因子ではない。BMIはCHD,全死亡と有意な逆相関を示した。
10年間の収縮期血圧の変化が10年~25年後の死亡と直接に関連した。
田主丸コホートと牛深コホート間で有意差のあった危険因子と25年の死亡率(例/1000人)
田主丸 牛深
BMI(kg/m2 21.8 22.1
血圧(mmHg) 133.2/73.6 136.9/78.3
総コレステロール(mg/dL) 167.9 162.3
心拍数(拍/分) 60.6 65.2
CHD死 46 63
脳卒中死 84 108
肺癌死 10 24
その他の癌死 121 156
全死亡 395 515*
* p<0.001


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