[2005年文献] 微量アルブミン尿は,BMIおよび収縮期血圧と有意に関連する

MAはBMIおよびSBPと有意に関連し,さらに男性では複数の栄養素との有意な負の関連が認められた。MAは心血管疾患や腎疾患の危険因子であるため,これらの因子をコントロールすることの重要性が示唆される。

Daviglus ML, et al. Relation of nutrient intake to microalbuminuria in nondiabetic middle-aged men and women: International Population Study on Macronutrients and Blood Pressure (INTERMAP). Am J Kidney Dis. 2005; 45: 256-66.pubmed

コホート
INTERMAP研究に参加した日本,中国,イギリスおよびアメリカ(計4か国17集団)の40~59歳の4680人のうち,尿検査結果が紛失された2人,糖尿病の276人,糖尿病未発症だが糖尿病性蛋白尿がある21人を除いた4381人(男性2200人,女性2181人)。
日本1064人,中国819人,イギリス490人,アメリカ1988人。
非ヒスパニック系白人35.7%,日本人30.3%,中国人19.1%,黒人7.6%,ヒスパニック5.6%。
24時間の尿中アルブミン量30 mg以上300 mg未満を微量アルブミン尿(microalbuminuria,MA)とした。
結 果
MAの有病率は,男性で3.8%,女性で3.9%とほぼ同じだった。
MA群における平均尿中アルブミン(24時間)は,男性94.6 mg,女性87.7 mg。
MAの有病率がもっとも高かったのは日本人男性で,もっとも低かったのはイギリス人女性。国および性別ごとのMAの有病率は以下のとおり(それぞれ男性,女性の値)。
[日本] 5.5%,3.3% [中国] 3.7%,4.2% [イギリス] 3.1%,2.6% [アメリカ] 3.1%,4.6%

MA群で非MA群よりも高い値を示したのは,BMI,収縮期血圧(SBP),拡張期血圧(DBP),降圧薬服用率および喫煙率で,低い値を示したのは年齢。
特にSBPはMA群で男性131.3 mmHg,女性126.0 mmHgであるのに対し,非MA群ではそれぞれ120.1mmHg,116.2 mmHgと顕著な差を示した。

多変量解析によると,MAと有意な関連を示したのは飲酒(P=0.042,女性のみ),BMI(P<0.05),SBP(P<0.001)。
MAと有意な負の関連を示したのは糖分,鉄,多価不飽和脂肪酸,ビタミンC,ビタミンE(P<0.05,以上,すべて男性のみ),教育年数(P=0.008,女性のみ)。

以上のように,MAはBMIおよびSBPと有意に関連し,さらに男性では複数の栄養素との有意な負の関連が認められた。MAは心血管疾患や腎疾患の危険因子であるため,これらの因子をコントロールすることの重要性が示唆される。


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