[学会報告・日本疫学会2012] CIRCS, ERA JUMP, 久山町研究, 岩手県北地域コホート研究, 甲州プロジェクト, NIPPON DATA80, 2010, 吹田研究, 端野・壮瞥町研究
conclusion2
第22回日本疫学会学術総会は, 2012年1月26日(木)〜28日(土)の3日間にわたって,東京にて開催された。
ここでは,学会で発表された疫学研究の一部を紹介する。
CIRCS | — | 男性では,高血圧に対する肥満の人口寄与危険度割合が増加 |
CIRCS | — | 男性では,糖代謝異常に対する肥満の人口寄与危険度割合が増加 |
ERA JUMP | — | 日本,韓国,米国の4集団でBMIと冠動脈石灰化は正の関連 |
久山町研究 | — | 認知症リスクの低い食事パターン |
岩手県北地域 コホート研究 |
— | 後期高齢者男性ではBMI低値および高値が循環器疾患リスクと関連 |
岩手県北地域 コホート研究 |
— | LDL-C/HDL-C比高値+CRP高値は女性の心筋梗塞リスクと関連 |
JACC | — | 失業と循環器疾患死亡,全死亡との関連 |
甲州プロジェクト | — | 母親の妊娠中の喫煙は,男児の5歳までのBMI増加と関連 |
NIPPON DATA2010 | — | 随時尿中Na/K比には有意な地域差 |
NIPPON DATA80 | — | 高血圧や糖尿病を有する人の40歳時の平均余命は2〜4年短い |
吹田研究 | — | LDL-C高値と高血圧をあわせもつと冠動脈疾患リスクがさらに増加 |
端野・壮瞥町研究 | — | 1日14〜25 gの飲酒はインスリン抵抗性リスク低下と関連 |
[CIRCS] 男性では,高血圧に対する肥満の人口寄与危険度割合が増加
発表者: 大阪大学・大平 哲也 氏 (1月27日(金),ポスター)目的: | 肥満および多量飲酒と高血圧発症リスクとの関連の経時的な推移について,30年以上にわたる長期の追跡データから検討。 | |
コホート・手法: | CIRCSの秋田,茨城,大阪,高知コホートの健診を以下の各年代に受診した40〜74歳の一般住民: 1970年代(1975〜84年)10082人,1980年代(1985〜94年)11778人,1990年代(1995〜2000年)10328人,2000年代(2001〜08年)10963人。エタノール換算摂取量≧46g/日を多量飲酒とした。(CIRCSへ) | |
結果: | 男性では,肥満,多量飲酒のいずれも,1970~2000年代を通じて高血圧有病率と有意に関連しており,とくに肥満の高血圧に対する人口寄与危険度割合は経時的に増加してきている。女性では,肥満は1970~2000年代を通じて高血圧有病率と有意に関連しており,多量飲酒については2000年代になってはじめて高血圧有病率との有意な関連がみとめられた。 |
[CIRCS] 男性では,糖代謝異常に対する肥満の人口寄与危険度割合が増加
発表者: 大阪大学・江口 依里 氏 (1月28日(土),ポスター)目的: | 糖代謝異常と肥満,飲酒,喫煙との関連の経時的な推移について,30年以上にわたる長期の追跡データから検討。 | |
コホート・手法: | CIRCSの秋田,茨城,大阪,高知コホートの健診を以下の各年代に受診した40〜74歳の一般住民: 1970年代(1975〜84年)8885人,1980年代(1985〜94年)11761人,1990年代(1995〜2000年)10595人,2000年代(2001〜08年)9996人。エタノール換算摂取量≧46g/日を多量飲酒とした。(CIRCSへ) | |
結果: | 糖代謝異常の有病率は,特に男性において,経時的に増加傾向を示した。生活習慣因子との関連をみると,肥満は,男女ともに糖代謝異常有病率との有意な関連を示した。男性における人口寄与危険度割合では,飲酒や喫煙の寄与度が経時的に低下してきているなか,肥満の糖代謝異常に対する寄与度は増加を続けていた。女性でも肥満の寄与度は大きく,今後も継続した肥満対策が必要と考えられた。 |
江口依里氏のコメント 経時的な推移を今後も追いながら,年代,性別ごとの効果的な肥満対策を模索していければと考えます。 |
[ERA JUMP] 日本,韓国,米国本土,ハワイの4集団でBMIと冠動脈石灰化は正の関連
発表者: 滋賀医科大学・藤吉 朗 氏 (1月27日(金),ポスター)目的: | 肥満と,冠動脈の潜在性動脈硬化指標である冠動脈石灰化との関連について,国・人種の異なる4集団で比較・検討。 | |
コホート・手法: | ERA JUMPに参加した40〜49歳の男性1212人(日本人310人,韓国人294人,米国ハワイの日系人300人,米国ピッツバーグの白人308人)(断面研究)。電子ビームCTスキャンによるAgatstonスコア≧10を「冠動脈石灰化あり」とした。(ERA JUMPへ) | |
結果: | BMIにかかわらず,米国人(日系人,白人)の冠動脈石灰化の有病率は,アジア人(日本人,韓国人)より高かった。BMIと冠動脈石灰化は,すべての集団において正の関連を示した。 |
藤吉朗氏のコメント 生活習慣の欧米化,肥満度の上昇(とくに男性)などにより,日本人における冠動脈疾患の増加が危惧されています。今回の検討で,冠動脈の動脈硬化進展における肥満の重要性が改めて認識されました。その一方で,米国とアジアにおける冠動脈石灰化の違いを説明する要因を引き続き探っていくことが研究の課題と考えています。 |
[久山町研究] 認知症リスクの低い食事パターン
発表者: 九州大学・小澤 未央 氏 (1月27日(金),ポスター)目的: | 食事パターンと認知症発症リスクとの関連を検討。 | |
コホート・手法: | 久山町研究の1988年健診に参加した60歳以上の1006人を17年間追跡。(久山町研究へ) | |
結果: | これまでに認知症発症との関連が指摘されている7つの栄養素(飽和脂肪酸,一価不飽和脂肪酸,多価不飽和脂肪酸,ビタミンC,カリウム,カルシウム,マグネシウム)を応答変数として縮小ランク回帰分析を行ったところ,「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の相対的な摂取量が多く,「米」の相対的な摂取量が少ないことに特徴づけられる食事パターンが導き出された。この食事パターンと認知症発症との関連を検討した結果,導き出された食事パターンのスコアが高い人ほど,全認知症,アルツハイマー病,および脳血管性認知症の発症リスクが有意に低くなった。 |
小澤未央氏のコメント 今回の検討では,1回の食事において「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の摂取量が多く,「米」の摂取量が少ない食事パターンは,認知症発症のリスクを有意に低下させることが示されました。本研究結果から,1回の食事において米の摂取量を減らした分,大豆,野菜,および乳製品で作られた食品を多く摂取する食事,つまり野菜類の摂取を心がけた食生活は,認知症の発症を予防する可能性があると考えられます。 |
[岩手県北地域コホート研究] 後期高齢者男性ではBMI低値および高値が循環器疾患リスクと関連
発表者: 岩手医科大学・丹野 高三 氏 (1月27日(金),ポスター)目的: | 高齢者におけるBMIと循環器疾患(脳卒中+心筋梗塞)発症リスクとの関連を検討。 | |
コホート・手法: | 岩手県北地域コホート研究の健診を2002〜2005年に受診した65歳以上の男性4743人および女性7263人を平均5.4年間追跡。 | |
結果: | 男性では,BMI 23.0〜24.9 kg/m2(対照)にくらべ,18.5〜20.9 kg/m2,ならびに25.0〜27.4 kg/m2と27.5 kg/m2以上のカテゴリーで循環器疾患発症リスクが有意に増加していた。年齢層ごとにみると,75歳以上の後期高齢者では同様の結果であったが,65〜74歳ではBMIカテゴリー間の有意差はみられなかった。女性では,BMIカテゴリーと循環器疾患発症リスクとのはっきりした関連は認められなかった。 |
丹野高三氏のコメント 高齢者の肥満と循環器疾患発症との関連については,議論があるところです。高齢男性の肥満と循環器疾患発症リスク上昇との関連を明らかにした本研究の結果は,中高年を通じた肥満対策の重要性を示唆しています。一方,本研究では比較的やせた高齢男性でも循環器疾患発症リスクが上昇しています。高齢男性の循環器疾患発症予防のためには,肥満だけでなく,やせにも注意を払うべきと考えます。 |
[岩手県北地域コホート研究] LDL-C/HDL-C比高値+CRP高値は女性の心筋梗塞リスクと関連
発表者: 岩手県予防医学協会・斗成 陽子 氏 (1月27日(金),ポスター)目的: | イベント発生率の低い中年女性における循環器疾患発症のリスク評価のために,LDL-C/HDL-C比(LH比)とCRPを組み合わせて用いることの有用性を検討。 | |
コホート・手法: | 岩手県北地域コホート研究の40〜79歳の女性15512人を平均5.6年間追跡。LH比とCRP値のそれぞれ上位25パーセンタイル(LH比≧2.60,CRP値≧0.70 mg/L)を高値,下位75パーセンタイルを低値とし,その組み合わせにより4つのカテゴリーを設定した。 | |
結果: | 「LH比低値+CRP低値」(対照)にくらべ,「LH比高値+CRP高値」では心筋梗塞発症リスクが約8倍と顕著に増加していた。総死亡リスク,脳卒中発症リスクについては,カテゴリーによる有意差はみられなかった。 |
斗成陽子氏のコメント 日本人女性の循環器疾患発症率は低く,循環器疾患の高リスク群をスクリーニングすることは困難です。本研究で示された結果は,LDL-C/HDL-C比と血清CRP値の組み合わせが日本人中高年女性の心筋梗塞発症リスク評価に有用である可能性を示しています。今後,追跡期間を延長してさらに検討していきたいと考えています。 |
[JACC] 失業と循環器疾患死亡,全死亡との関連
発表者: 琉球大学・白井こころ氏 (1月28日(土),ポスター)目的: | 失業状態と循環器疾患死亡および全死亡リスクとの関連について,大規模な前向きコホート研究により検討。 | |
コホート・手法: | JACCに参加した全国45地区の40〜59歳の59238人を,1988〜90年から14.4年間(中央値)追跡。(JACCへ) | |
結果: | ベースライン時の失業率は4.1%(同期間の日本全体の失業率は2.1~2.5%)。男性では,フルタイム雇用者にくらべ,失業者における脳卒中死亡リスク,循環器疾患死亡リスク,全死亡リスクがいずれも有意に高かった。女性では,失業者における癌死亡リスクおよび全死亡リスクが有意に高かった。しかし,propensity score matchingによる条件つき回帰分析では失業と全死亡リスクとの有意な関連はみられず,通常のハザードモデルでは調整しきれない交絡因子の影響が示唆された。 |
白井こころ氏のコメント 今回の検討で,Cox比例ハザードモデルを用いた解析では,失業と全死亡,循環器死亡,がん死亡との関連が支持されました。ただし,失業率が非常に低い社会環境における失業者は,社会,経済,心理,身体的要因が非失業者と大きく異なる可能性があり,今後より精緻な検討を進める必要性が示されたと考えています。 |
[甲州プロジェクト] 母親の妊娠中の喫煙は,男児の5歳までのBMI増加と関連
発表者: 山梨大学・鈴木 孝太 氏 (1月27日(金),ポスター)目的: | 出生時から小学4年生時までの子どもの体格の変化について,母親の妊娠中の喫煙の影響も考慮して検討。 | |
コホート・手法: | 1991年4月〜1993年3月に生まれた1644人とその母親。BMIの推移については、WHOにより定められたzスコアを用いた。 | |
結果: | 出生からのBMI zスコアの推移をみると,男児では,母親が妊娠中に喫煙していた場合に,国際的な標準値よりもBMIが増加していく傾向が,とくに5歳までに顕著であった。一方,女児では,母親が妊娠中に喫煙していた場合は5歳以降にやせていく傾向を示していた。「5歳までに肥満となること」に関連する因子を検討した結果,男児でのみ,妊娠中の母親の喫煙がリスク増加と有意に関連していた。 |
鈴木孝太氏のコメント 妊娠中の喫煙が胎児あるいは子どもの発育に与える影響については,数多くの研究で検討されていますが,男女差に着目したものはまだ少ないのが現状です。このコホートにおいて観察された男女差が一般的なものなのか,今後検討していく予定です。 |
[NIPPON DATA2010] 随時尿中Na/K比には有意な地域差
発表者: 滋賀医科大学・三浦 克之 氏 (1月27日(金),口演)目的: | ナトリウム,カリウム摂取量を反映するとされ,血圧との関連も指摘されている随時尿中のナトリウム/カリウム比(Na/K比)の値を,年齢層,性別,地域ごとに比較。 | |
コホート・手法: | 全国300地区における2010年の国民健康・栄養調査参加者を対象に,循環器疾患基礎調査の後継調査として実施された「循環器病の予防に関する調査(NIPPON DATA2010)」に参加した2804人。 | |
結果: | 随時尿中のNa/K比の幾何平均は,男性で3.63,女性で3.66と性差はみられなかった。年齢層ごとにみても顕著な差はみられなかったが,70歳代および80歳以上においてやや値が低い傾向であった。地域ごとにNa/K比の幾何平均を比較すると,東北や北関東・甲信で高く,南九州や東海で低い傾向がみられた。共分散分析を行うと,Na/K比は地域間で有意に異なっていた。 |
三浦克之氏のコメント 随時尿Na/K比は,高血圧予防において重要なナトリウム摂取とカリウム摂取の客観的な総合指標として活用可能ではないかと考えています。最新の国民代表集団であるNIPPON DATA2010において,今後さらにくわしく検討する予定です。 |
[NIPPON DATA80] 高血圧や糖尿病を有する人は40歳時の平均余命が2〜4年短い
発表者: 滋賀医科大学・村上 義孝 氏 (1月28日(土),ポスター)目的: | 危険因子としてのインパクトをわかりやすく示すため,高血圧および糖尿病の有無ごとに平均余命を算出。 | |
コホート・手法: | NIPPON DATA80の7707人。40〜100歳までの追跡データを用い,ポアソン回帰モデルの結果を用いて平均余命を算定した。血圧カテゴリーの定義は,至適血圧: 収縮期血圧(SBP)<120 mmHgかつ拡張期血圧(DBP)<80 mmHg,前高血圧: SBP 120 mmHg以上140 mmHg未満またはDBP 80 mmHg以上90 mmHg未満,ステージ1高血圧: SBP 140 mmHg以上160 mmHg未満またはDBP 90 mmHg以上100 mmHg未満,ステージ2高血圧: SBP 160 mmHg以上またはDBP 100 mmHg以上とした。(NIPPON DATAへ) | |
結果: | 40歳時点での平均余命は,男女とも血圧値が高いカテゴリーほど短くなっていた。男性のステージ2高血圧と至適血圧との差は非喫煙者で2.7年,喫煙者で3.1年であり,女性の高血圧(ステージ1+ステージ2)と至適血圧との差は非喫煙者で2.1年,喫煙者で2.3年であった。糖尿病についても,男女とも耐糖能異常および糖尿病の平均余命は正常耐糖能より短くなっていた。糖尿病と正常耐糖能との差は,男性(非喫煙,至適血圧)で2.5年,男性(喫煙,至適血圧)で2.8年,女性(非喫煙,至適血圧)で3.4年,女性(喫煙,至適血圧)で3.8年であった。 |
村上義孝氏のコメント 今回は,日本を代表するコホート研究であるNIPPON DATA80のデータを用い,直感的に理解しやすい平均余命という指標によって危険因子の影響を評価しました。われわれは2007年にも喫煙者の平均余命に関する報告を行いましたが(抄録へ),今回は解析にポアソン回帰を用いたことがポイントの一つです。たとえば糖尿病の有無による余命の差を考える場合,単純な計算では6~10歳といった大きな差が出ますが,これには高血圧や喫煙といった交絡因子の影響が含まれています。一方,ポアソン回帰を用いると,「非喫煙+至適血圧の男性ではどうか」といった,細かい層別化が可能です。もっとも知りたいのは「自分が糖尿病であった場合と,そうでない場合の差」だと思いますが,それに近い妥当な比較を行うことができます。今後も,同様の手法を用いた解析を進めていきたいと考えています。 |
[吹田研究] LDL-C高値と高血圧をあわせもつと冠動脈疾患リスクがさらに増加
発表者: 国立循環器病研究センター・月野木 ルミ 氏 (1月27日(金),ポスター)目的: | LDL-C高値の有無ごとにみた高血圧と循環器疾患発症リスクとの関連を検討。 | |
コホート・手法: | 吹田研究の5163人を13.0年間追跡。LDL-C高値はFriedewaldの式で推算したLDL-C≧140 mg/dLとした。高血圧は140 / 90 mmHgまたは降圧薬服用とし,それ以外を正常血圧とした。(吹田研究へ) | |
結果: | 男女とも,LDL-C高値と高血圧をあわせもつと,それぞれを単独でもつ場合よりも冠動脈疾患の発症リスクが高くなっていた。脳卒中では,男女とも,LDL-C値にかかわらず高血圧を有するとリスクが上昇したが,LDL-C高値を単独で有する群では,リスクの上昇はみとめられなかった。脳梗塞でも同様の傾向であった。ただし,冠動脈疾患,脳卒中のいずれについても,性別をとわず,LDL-C高値と高血圧との有意な交互作用はみとめられなかった。 |
月野木ルミ氏のコメント 本研究によって, 冠動脈疾患発症を予防するためには高血圧および高LDL-C血症を同時に管理することが重要であることを明らかにしました。冠動脈疾患発症率の低いわが国では一般集団を対象とした同様の報告は過去にはほとんどありません。サンプルサイズの関係で統計学的には交互作用を検出することはできませんでしたが,臨床的・公衆衛生的に非常に有用な結果を示すことができたと考えております。 |
[端野・壮瞥町研究] 1日14〜25 gの飲酒はインスリン抵抗性リスク低下と関連
発表者: 札幌医科大学・ 藤井 瑞恵 氏 (1月28日(土),ポスター)目的: | 飲酒状況とインスリン抵抗性との関連について,断面解析により検討。 | |
コホート・手法: | 端野・壮瞥町の健診を2003〜2005年に受診した男性590人。HOMA-IR値≧1.73をインスリン抵抗性とした。(端野・壮瞥町研究へ) | |
結果: | HOMA-IR値,およびインスリン抵抗性の頻度は,いずれも飲酒量とU字型の関連を示していた。多変量解析により,インスリン抵抗性のリスク上昇に関連する因子として腹部肥満あり(vs. なし),リスク低下に関連する因子として年齢,および1日14〜25 gの飲酒(vs. 非飲酒)が見出された。 |
藤井瑞恵氏のコメント 今回の結果では,インスリン抵抗性が低下するとされるアルコール摂取量は1日14~25gで,缶ビールであれば350mL 1本,日本酒であれば1合程度の量です。飲酒がインスリン抵抗性を改善させるメカニズムは確定されていませんが,今後,ほかの生活習慣病との関連を検討していきたいと思います。 |