40~59歳の日本人および日系米国人 | |
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1997年 (横断研究) | |
1412人 | |
血液検査(随時採血),およびINTERMAP研究で実施した以下の調査項目。 血圧(異なる4日で4回測定。5分間の安静ののち,ランダムゼロ血圧計*を用いて座位で測定),生活状況調査,24時間蓄尿(2回測定。尿量,ナトリウム,カリウム,マグネシウム,カルシウム),24時間思い出し法による栄養調査(異なる4日で4回調査),心拍数,運動状況,飲酒,喫煙,服薬状況,年齢,身長,体重,人種,職業,特別な食生活*の有無,教育年数,経産歴(女性のみ),閉経状況(女性のみ),避妊薬・ホルモン補充療法の有無(女性のみ)。 (*特別な食生活: 体重管理食,ベジタリアン食,減塩食,糖尿病食,脂肪管理食など) |
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上島 弘嗣 (滋賀医科大学生活習慣病予防センター) | |
J Hum Hypertens. 2003; 17: 631-9. 平成9年度~平成12年度科学研究費補助金基盤研究(A)(1)研究成果報告書: 高血圧予防のためのライフスタイルのあり方に関する疫学共同研究 ―国際共同研究INTERMAPの一環として― |
この数十年,日本人の生活習慣は欧米化の一途をたどってきた。その結果,若い世代の日本人の血中コレステロール値は上昇し続け,いまや同世代の米国人とあまり変わらない。高血圧の割合も欧米と同程度であり,喫煙率にいたっては欧米よりもかなり高いことが知られている。このような現状にもかかわらず,日本人のCHD発症率やCHD死亡率は依然として低い水準を保っている。
その背景として,日本人のHDL-Cが高いこと,LDL-Cが低いこと,BMIが低いことなどがこれまでにあげられてきた。また,魚をよく食べる伝統的な日本の食生活がHDL-Cに望ましい効果を与える可能性も示唆されている。しかし,食生活とこれらの因子との関連は明らかになっていない。
そこで,脂質を中心とした栄養素の摂取とCHDの危険因子との関連を探ることを目的としたINTERLIPID研究が行われた。日本人コホートとともに対象となったのは,ハワイに移住した日系人3世および4世。日本人と共通した遺伝的背景をもつ一方で,食事などの生活習慣がほぼ完全に欧米化している点が特徴であり,比較対象として非常に興味深いといえる。