[1995年文献] 1980年代後半,小中学生の血圧は年齢とともに増加。増加の速度は男児のほうが大きかった
1980年代後半における我が国の6~14歳の小中学生の血圧を調査した。その結果,収縮期血圧,拡張期血圧ともに,6歳から14歳にかけて増加し,その増加度は女児よりも男児のほうが大きかった。
Fukushige J, et al: Blood pressure levels in school-age Japanese children: the Hisayama Study.J Hum Hypertens 1995; 9: 801-7.
- コホート
- 1985年から1990年にかけて,学校健診で血液検査を受けた6歳~14歳の6325例。
- 結 果
- 男女ともに,収縮期血圧も拡張期血圧も,年齢とともに増加した。
収縮期血圧: 6歳から14歳にかけ,男児で89→108mmHg(21%),女児で88→102mmHg(16%)と増加。
拡張期血圧(コロトコフ音第4点で測定): 6歳から14歳にかけ,男児で58→72mmHg(24%),女児で58→70mmHg(21%)と増加。
拡張期血圧(コロトコフ音第5点で測定): 第4点での測定より増加の幅が大きく,6歳から14歳にかけ,男児で48→63mmHg(30%),女児で48→61mmHg(28%)と増加。
これらの結果から血圧増加率を計算すると,収縮期血圧は男児2.4mmHg/年,女児は1.8mmHg/年,拡張期血圧(第4点)は男児1.8mmHg/年,女児1.5mmHg/年,拡張期血圧(第5点)は男児1.8mmHg/年,女児1.7mmHg/年。
年齢と収縮期血圧は,直線関係を示さなかった。