フラミンガム研究(FHS)は,心筋梗塞や脳卒中はもちろん,心不全を初めから実疾患としてとらえてハードエンドポイントとした意義がきわめて大きいと思います。 FHSは心不全という症候群の客観的な診断基準を作った唯一の研究で,この基準は現在でも心不全を定義するときのスタンダードになっています。そして明確な診断基準のもとで,FHSは高血圧,心肥大を心不全の危険因子として確立しました。 心不全の危険因子を定義した研究は世界にも例がありません。最近話題になっている拡張不全にもFHSの診断基準が生きているのです。〔全文を読む〕
疫学研究のデータと介入試験のデータが,両輪のようにうまくかみ合って現在の高血圧治療に生かされているのです。
さらにフラミンガム研究は,研究結果をいちはやく臨床データとして検証し,裏付ける成績を相次いでまとめることにより,基礎と臨床の橋渡しをし担っているのです。〔全文を読む〕
疫学研究により心血管病の自然歴が分かります。治療の第1歩はそこにあるのではないでしょうか。 臨床試験の結果を疫学サイドからはどう解釈するのか興味がありますし,疫学研究を重ねて検討することにより,臨床試験への理解が深まり,示唆されることも少なくないことが期待されます。〔全文を読む〕
マルチプルリスクファクターの解明こそ,健康な人間を何年間も観察し続ける疫学研究の威力,そして多くの危険因子を定量的に追跡し続けているフラミンガム研究の真骨頂を発揮したものと言えます。〔全文を読む〕